2番手であることを認める

エイビスという米国レンタカー会社の広告例でこんなものがある。

それまで、業界2位の同社の謳い文句は「レンタカー会社の中で最高のサービス」だった。質の高さを広告してきたのだ。
しかしどうして業界1位でもない会社が最高のサービスを行えるというのか?この広告は顧客に響かず終わった。


そこでエイビスが採った方法はこうだ。


「エイビスはレンタカー業界においてナンバーツーに過ぎません。だからこそご利用いただきたいのです。わたしたちは一生懸命頑張ります。」


それまで13年間、エイビスは赤字続きだったが、ナンバーツーであることを認めたとたんに大幅な黒字に転じた。

勘違いしてはいけないのが、エイビスは一生懸命頑張ったから黒字を達成したわけではなく、顧客の心の中にナンバーワン企業のハーツを描かせ、ハーツとのポジションを明確に描かせたからこそ黒字化に成功したというわけだ。
一生懸命さは本質的な価値にはなりえない。

ちなみに黒字達成後、
「エイビスはナンバーワンになります」に広告キャッチフレーズを変えた途端、ふたたび電話が鳴らなくなったらしい。


これはおもしろいな
何もデータでナンバーワンであることが、人々の心の中でナンバーワンであるとは限らないからなあ


参考文献:

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

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