ずっと不発の遺伝子

ミツバチの実験がおもしろいんだ。 ミツバチは腐蛆病という細菌性の伝染病にかかるという。これは巣室内の幼虫をおかす病気である。 養蜂家に飼われているミツバチでは、ある系統が他の系統よりこの病気にかかりやすい。 そして、系統間のこのちがいは、 行…

ぼくらの根源的生存戦争

“ひとはいったい どこから来て、どこへ行くのだろう…” まぁ、どこへ行くかはさておき、どこから来たのかの予測の物語は、 “ぼく”を胸キュンさせる物語であることに間違いない。 はじまりの自然淘汰 ある日 原子どうしが出会い、 化学反応をおこして結合し、 …

視覚的想像力を促す話題

ぼくはかねてより視覚情報での知覚を優位にさせる方法をさがしている。 それは物理的に視神経での知覚を優位に…ということではなく、頭の中に描くイメージが優位になる状態のことだ。 他者(クライエント)の視覚的想像力を活性化させるために、いったいどん…

カタルシス、3世紀の主題が14世紀に流行した理由。

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Andrea Mantegnaアンドレア・マンテーニャ聖セバスティアヌスの殉教St. Sebastian1456-59Panel, 255 x 140 cmルーヴル美術館 Musee du Louvre, Paris聖セバスティアヌスの物語時はローマ帝国時代。人々はローマ神話の神々を崇拝する多神教の時代。自らも生け…

アイデアのつくり方

ジェイ・ウォルター・トンプソン社 J.Walter Thompson は150年前に創立された世界で最初のグローバル・エージェンシー(広告代理店)。そこで長年にわたり最高顧問を務めたジェームズ・W・ヤングの語る「アイデアのつくり方」は、こうらしい。①特殊知識→顧客…

頭の中の言葉を停止させる

無垢なミルクに一滴のガソリンを垂らしたみたいな空、今朝は良い天気だね。あるいはマーク・ロスコの絵画を彷彿とさせる。 エリクソンが「視覚以外を第一の表象システムにしているクライエント」に対して言葉を与えてゆくことで内的対話を停止させ、視覚の…

不特定なコトバ

ミルトンエリクソン(精神科医、現代催眠の第一人者だよ)がクライアントに対してペーシングやリードを行うとき、以下のような叙述語をよく使うという。あれこれ思いをめぐらす感じる感じとる知る体験する理解する気づく憶えている…いま、あなたはあれこれ思…

2番手であることを認める

エイビスという米国レンタカー会社の広告例でこんなものがある。それまで、業界2位の同社の謳い文句は「レンタカー会社の中で最高のサービス」だった。質の高さを広告してきたのだ。しかしどうして業界1位でもない会社が最高のサービスを行えるというのか?…

イスラム教が豚食を禁止する、その意図

イスラム教徒は豚を食べない。 コーランが「豚は汚れた動物なので食べてはいけない」と定めているからである。 諸説ある。 衛生上の問題だとか、食に貪欲で無節操に繁殖するからだとか、 どんな理由付けにしろ、そこに含まれる意図はナルホドである。 1. 指…

東京上空

とある夜 そのとき私はいつの間にかその小さな窓に集中しすぎていたので、 ボーイング777-300の70メートルもある機体の存在も、それに乗る500名もの騒がしい人々の存在も、すっかり全て意識の外側に棄ててしまって、まるで自分のふたつの目だけが上空を飛ん…

なぜ、人は絵を描き文章を書くのか

たとえば、 とてもうつくしい夕陽が浮かんでいて、空がすばらしく染まっていて、 「見て、夕焼けがとても綺麗だよ!」 と、まあるい夕陽を指差して、隣を歩く君に言う。 とても自然なことだ。 うつくしい光景や状態があれば、それを誰かに伝えたくなる。 そ…

突如、ぼくに翼がもたらされた。

突如、ぼくに翼がもたらされた。 肩甲骨の部分に、あたかも生まれつき備わっていたかのような自然さで、ぼくはふたつの翼を感じた。 窮屈に折り畳まれていた双翼がパキパキと高い音を立てて、ぼくの背後に大きく広がる。 関節の鳴る振動が背骨を伝わって、身…

理想郷について

理想郷は記憶の中に存在する。 ぼくはこの休日、紅葉狩りに出かけた。 赤黄色に染まる木々が風にそよぐ光景は、なるほどたしかに絶景ではあったのだが、 ぼくがほんとうに身震いするような感動をおぼえたのは、絶景を眺めているその時ではなかった。 紅葉の…

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